こんにちは。橘苑の丁稚の野村でございます。本日から男着物についての記事を執筆させていただきます。
私も数年前まで着物に興味なんて全くございませんでした。着物を見かけるのは時代劇か日曜日夕方の噺家の皆さんくらいのものでした。それから数年後、お休みの日にも着物を着るような生活を送るようになるなんて・・・。
元々私は洋服関連の仕事を長くしておりました。大学時代からアルバイトながら仕入れまで担当しているほど洋服が好きでした。おそらく考えられる洋服はすべて、古着からスーパーブランドまで着てきたと思います。年をとるたびに徐々に洋服への情熱もなくなってくるもんだなあと思い日々を過ごしていました。
そんなある日のことです。通りがかった神田明神前で着物を来た3人の旦那衆がいらっしゃいました。ある人は背が高く、ある人は小さく、ある人は髪があり、ある人はなく、ある人は痩せており、ある人はお腹が出ている。そんな身体的個性よりも、3人から出ている雰囲気がとても良く、凛としていて、背筋が伸びており、ある着姿がとてもかっこよかったのです。
その3人の方々洋服でいたらどうか?想像してみたのですが、想像してもあまりかっこいい感じになるとは思えなかったのです。和服マジック!そうかこれが和服マジックかと思ったのです。自分で着るようになってわかってきたのですが、その旦那衆はそれぞれのコーディネートが素晴らしかったこと、着物を着慣れていらっしゃったんだということです。
ということで今回は着物の面白さを3点お伝えしたいと思います。
着物は着れば着るほどかっこよくなる
洋服と着物の大きな違いはここです。
着物は着れば着るほど自分の体型や姿勢や癖などにあった着かたが出来るようになります。トレーナーは毎日来ても着かたがこなれているということはありませんが、和装・着物や浴衣は着れば着るほどこなれていき、格好良くきられるようになります。洋服で言えばネクタイが同じような Asawaものでしょうか?毎日つければつけるほどネクタイの締め方が慣れていき、自分にあった締め方ができるようになりますよね。
着物はネクタイというような洋服の一部ではなく、足元から首までの全身を覆うものですからネクタイよりも経験が直接的にビジュアルに影響をしていきます。それは襟周り、帯の周り、足元の周り、背中など体中のいたるところに表情として現れていきます。体型に左右されずおしゃれができるところが着物の面白いところでもあります。
コーディネート
洋服は良いスーツを来ていれば良いスーツ着ているとわかりやすいです。
着物はどうなのか?着物に関する知識が増えれば増えるほど素材についての背景がわかっていき、どの着物がどう価値があるのかがわかっていきます。
ただし、着物の場合は良い素材の着物を着ることも大切ですがコーディネートが重要な要素になります。100人が同じ着物を着ても体型の違いで着物の格好良さは異なって見えてきます。それはそうですよね。極端に言えば大きな布をまとっているだけなのですから。ではどこでその差をつけていくのか?コーディネートです。男性の着物の場合はコーディネートは限られています。夏で言えば、半襟・帯・足袋・履物。春秋冬で言えば、それに加えて羽織と羽織紐そしてコートです。
同系色であわせるのか?季節感がある柄をいれるのか?はたまた遊びのある柄をいれるのか?僅かな部分でコーディネートし個性を表現していくところも着物の面白いところです。
TPOにあった着かたがある
着物を着てればどこでもいけるのか?というと実はそうとは限りません。どんなに立派な着物をきていても履物によっては行けない場所もあります。反物(着物を仕立てる前の状態)で100万を超えるものを着ても、格式が高いところにいくことができない場合もあります。着物は生地や履物によってTPOがかわっていきます。これはまた別途記事としてお伝えしてまいります。
明治初期から戦争前までは着物は普段着として、戦後は会社から帰ったら着替えるくつろぎ着として、ここ一番というときに着ていくものとして時代によって着物の立ち位置は変わってきています。大切なのは着る人が楽しんで着ることだと思います。最低限のルールを守りさえすれば着物は楽しいおしゃれ着になります。
ということで3つの面白い点をお伝えいたしましたが、これからこのブログでは男着物の帯の締め方、着かた、着た時の作法を初心者の方にはなるほどー、熟練の皆様にはあーあるあるといっていただけるような記事を書いていきたいと思いますので、今後ともよろしくおねがいいたします。
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