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浴衣を知る

お誂え浴衣を買ってみた

投稿日:2020-03-01 更新日:


こんにちは。銀座喜染の遠藤です。

皆さんは普段どんな所で浴衣を買っていますか?夏になれば呉服専門店や百貨店、最近ではユニクロや通販などでも浴衣がたくさん並んでいます。そこで目にする浴衣は、ハンガーラックにたくさんつるされた浴衣でしょうか?それとも巻物状に巻かれたものでしょうか?

ハンガーラックにつるされた浴衣は「プレタ浴衣」などと呼ばれ、その場で着られる形に仕立て上がっています。多くの方がこちらを目にする事が多いのではないでしょうか。対して巻物状に巻かれたものは「反物」と呼ばれています。呉服屋さんなどに並んでいる「着物」と言えばこの反物をイメージするかと思いますが、浴衣もこの反物から自分サイズにお仕立てする事が出来ます。私もずっと、浴衣は最初から出来上がっているものしか見たことがなく、「お誂えする」と聞くとすごく高級な着物のイメージしかありませんでした。でも実際に浴衣をお誂えしてみると、安いものなら3万円くらいから出来て、プレタ浴衣とは全然違った着心地が味わえるんですね。

今日は実際に私が反物を買って自分用に浴衣をお誂えした経験談をお話したいと思います。

 

 

お店との出会い

私が初めて浴衣をお誂えしたのは3年前。呉服店に勤め始めたのをきっかけに、浴衣には既製品として大量生産されているタイプと、反物と呼ばれる生地から一人一人のサイズに合わせて作るタイプがあることを知りました。

1.反物を選ぶ

浴衣の反物は、百貨店や呉服店などで見る事が出来ます。また最近は通販でも買う事が出来ます。夏になると沢山出てくる既製品の浴衣は、一般的に機械で大量生産され、柄もプリントの物がほとんどです。対して反物は1反で一人分の浴衣を作ります。柄付けも、注染など職人さんの手によって手染めされ、プリントとは違った奥行きのある色柄が特徴です。反物の場合浴衣の形にはなっていないので着てみた時の雰囲気が想像しづらいですが、店舗にいってお願いすれば生地を身体に当てて顔移りを見る事が出来ますよ。

私は呉服店に勤め始めたことによっていろいろな反物を見る事が出来たんですが、その種類の豊富さにまず驚きました。先ほど言った、職人さんが手染めしている注染の他、こちらも手仕事で絞られた総絞りの浴衣。色柄も昔ながらの紺白の伝統柄から現代的な感性で色付けされたものなど、見ているだけでも楽しくなりますね。

私は綿絽の生地を紺一色で染めた、蝶々柄の浴衣を選びました。綿絽というのは、全体に絽目と呼ばれる隙間があけられた生地の事です。これを着る時はしっかり肌着を着ないといけませんが、浴衣の中でも特に清涼感のある生地で素敵なんですよ。こちらも注染で、柄の周りが紺で染められ地色の部分が蝶々の柄になっています。

2.採寸する

浴衣の反物を扱っているお店の多くでは、反物が決まったら採寸からお仕立てまで一括してやってくれます。自分で普段からお願いしている仕立て屋さんがあったり自分で縫う事が出来る人は反物だけ買う事も出来ますが、そうでなければお店にお願いするのが良いでしょう。ちなみに通販でも、採寸さえ自分でして寸法を連絡すれば、仕立て上げて送ってもらえるところもあります。だけど最初は当然分からない事だらけなので、安心できるお店に全てお任せした方が良いですね(私も初め、寸法を測ってもらうだけでも身丈?裄?と?だらけでした)。

仕立はミシンか手縫いのどちらかですが、希望があればお店に伝えてみましょう。

 

3.仕立て上がりを待つ

お店で採寸してもらって仕立てをお任せすれば後は待つばかり。一般的にお誂えには1か月前後時間がかかります。着る日にちが決まっている場合は早めに購入したほうが良いですね。出来上がりを想像しながら着る日をワクワク待つ時間も、お誂えならではの醍醐味です。

 

4.受け取る

出来上がったらいよいよ着てみます。今までにプレタ浴衣は何度か来たことがありましたが、やはりお誂えの浴衣を着てみると全然着心地が違いました!

まずおはしょりの調整が簡単。私は身長が低めなので、既製品を買うとおはしょりが多めに出てしまっていました。なので不格好にならないよう一生懸命帯の中にしまい込んだりしていたんですが、お誂えは普通にきるだけでおはしょりがきれいに決まります。それから身巾も、既製品だと少しぶかっとしてしまっていたんですが、お誂えした浴衣は脇縫いの位置もぴったり真横にきてくれました。これだけで着付けの大変さがぐっと減って、もっと沢山着ようって気持ちになりましたね。

余計な調節がいらなくなることで着崩れもしにくくなるし、良い事だらけです。

 

まとめ

お誂えの浴衣を初めて着てみての感想は「とにかく着心地が良い!」という事です。今まで既製品のサイズが微妙に合わなくて悩んでいた私にとっては特にその良さが実感できました。また反物で1反1反販売されているものは機械で大量生産ではなく人の手がかかっている分それ相応のお値段がしますが、相応の魅力もあります。私が買った注染の浴衣は、職人さんが生地の上から染料を注ぎ、表と裏の2回色を染めているから表と裏が全く同じように染まっています。その手がかけられている事によって、奥行きのある味わい深い色柄になります。

そしてなんといっても大量生産じゃないから人と被りづらい!これは嬉しいですよね。沢山人の集まる花火大会などで、周りの人とは少し違った浴衣を着ているというのは、誰に褒められなくてもちょっと誇らしい気分になるものです。

最初は皆さんお誂え浴衣をどこで買うのかも悩まれると思いますが、今はインターネットで調べればお店も沢山探せるので是非。銀座橘苑でも浴衣の反物は一年中取り扱っておりますし、最初はどんな感じなのか見て色々お話を聞いてみるだけでも大丈夫ですよ。この記事を読んで少しでもお誂えの浴衣に興味を持っていただけたら幸いです。

 

【通販サイト 銀座喜染】

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