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浴衣の生地や柄について

投稿日:2019-08-08 更新日:

浴衣の生地にはいろいろな種類と柄があり、それによってそれぞれの特徴や意味があります。また普段、浴衣を着用することが少ない方はどの色柄がいいのか迷うこともあるでしょう。浴衣は着物とは違い細かいルールなどもほとんどなく、和装の中でも最もカジュアルなものです。今回は浴衣の生地の種類と柄の特徴を男女別に紹介していきます。

 

浴衣の生地の種類と特徴

浴衣の生地の織り方にはいくつか種類が存在します。それぞれ特徴があり、浴衣の着こなし方が少し変わってくることもあるでしょう。ここでは、一般的な生地の織り方について紹介していきたいと思います。

 

綿紅梅(めんこうばい)

紅梅織と呼ばれ、使っている素材によって綿紅梅や絹紅梅などと言われたりします。格子状の織りで、格子の部分には太い糸を使用し、凹凸のある生地は肌に張り付かず夏にぴったりです。綿紅梅はシャリ感もあり、浴衣にはよく使われる織りです。

 

綿絽(めんろ)

透け感のある織りが涼しげで人気の生地です。下にはきちんと肌着を着て肌が透けないよう工夫しましょう。

 

コーマ地

浴衣の生地で、最も広く使えれています。丈夫なコーマ糸と呼ばれる糸を使用し、凹凸のないフラットな織りの生地です。

 

 

浴衣に使われる伝統色とは

日本には和装でも多く使われている伝統の色があります。古くから伝わっていて、現代でも使われている色を紹介していきます。

 

一斤染

一斤染は淡い紅色のことをいいます。紅花が高価だった時代では濃い紅染めは禁色とされ、着用には天皇の許可が必要でした。そんな中で淡い紅色である一斤染はゆるし色とされて身分を問わず着用されていたそうです。

 

朱色

朱色はやや黄色味を帯びた赤色のことをいいます。縄文時代から伝わる伝統色です。

 

茜色

茜色は茜草の根で染めた濃い赤色のことをいいます。一般的な「赤」というよりは少し暗めの赤で、夕焼け空の色をイメージするとわかりやすいかと思います。

 

黄丹(おうに)

黄丹は鮮やかな赤みのある橙色です。くちなしの下染めに紅花を上掛けして染め重ねられます。やがて天位につく皇太子の地位を意味する色とされ、禁色とされていました。

 

山吹色

山吹色は山吹の花のような鮮やかな黄色で別名「黄金色」ともいわれています。平安時代から「山吹色」という名前は用いられており、黄色の花を咲かせる山吹が由来だといわれています。

 

鶯色

鶯色は鶯の羽のようなやや暗いくすんだ黄緑色のことをいいます。江戸時代からあった色名ですが、当時は茶系が流行色で、単に鶯というと鶯色を茶色がからせた鶯茶の事を指していたようです。黄緑色の鶯色は、明治時代に流行色となってから認められるようになりました。

 

千歳緑

松の葉のような濃くて暗い緑をさします。

長寿と不変の象徴である松にあやかり、千歳緑も千年の後も変わらない緑の意を示す縁起の良い色とされています。

 

古代紫

江戸紫や京紫より渋く、ややくすんだ紫色です。紫草という草の根で染められています。江戸時代に流行った色の一つ「今紫」が青みを帯びた明るい紫だったのに対して付けられた色名だと言われています。

 

浴衣の伝統柄とは

浴衣は、様々な柄が存在ます。最近では一段と柄や色が増えていき、どんなものを選んだら良いか迷う人もいらっしゃると思います。ここでは、男女別に定番の柄を紹介していきたいと思います。

 

男性浴衣の定番柄

男性の浴衣で不動の人気を持つのは縦縞です。他の柄に比べて、初心者でも手を出しやすいシンプルな柄であることから人気となっています。同じ縦縞でも色によってかなり雰囲気が変わってきます。例えば黒や紺はオーソドックスな色ですが、大人の落ち着いた雰囲気になります。逆に白やグレーなどの明るめの色を選ぶと、優しい印象を与えます。

格子柄も日本の伝統的な柄です。洋服でいう、チェック柄とお考えください。洋服でもチェック柄は毎年人気のある柄の一つです。カジュアルな印象になるため幅広い年代の人が挑戦しやすい柄だと思います。

 

女性浴衣の定番柄

近年、女性浴衣ではレトロモダンなどの柄が徐々に人気となってきました。大正や昭和初期の雰囲気を持つ大きめの柄とはっきりした色使いが可愛らしく、古典的な柄であれば大人の女性でも着用しやすいものが沢山あるため、年代を問わず人気となっています。お大きめの花柄はレトロ柄の中でも人気ですが、その他にも大きめのよろけ縞や幾何学模様なども人気です。大きめの花柄は人の多い所でも目を惹く華やかさが有ります。中でもひまわりなど夏らしく若々しい柄が人気となっています。よろけ縞はその名の通り真っ直ぐではなく、すこしカーブかかった縞模様です。柔らかな曲線が女性らしさを演出してくれます。

 

当店のおすすめ柄をご紹介

男性におすすめの浴衣柄

変升柄

歌舞伎俳優、市川團十郎の紋所で知られる三枡紋をモダンにアレンジした柄です。ピンクやブルーの明るい指し色も、注染の確かな技術に裏打ちされ、大人の男ならではのキュートが演出できる一枚です。

男物浴衣(単品)【変わり三升】

 

花に流水

男性の浴衣には珍しい花と流水の柄。風雅な雰囲気をさらっとまとってください。

男物浴衣(単品)【花流水】

 

女性におすすめの浴衣柄

女性は、男性よりもさらに様々な柄の浴衣が存在します。近年流行しているレトロな柄もいいですが、長く浴衣を楽しみたいのであれば、古典的な大人っぽい柄をおすすめします。

 

日本が誇る花である桜は日本人はもちろん外国の方にも人気があり、浴衣はもちろん着物や手ぬぐいなどにも多く使われる柄です。大人っぽく浴衣を着こなしたい方はもちろん少し可愛い要素を取り入れたいという方にもおすすめの柄。黄色や赤の帯を合わせると引き締まって見えるでしょう。

女物浴衣(単品)【桜】

 

蝶々

蝶々柄は、見た目も良く愛らしさがあるので平安時代中期以降多くの人に愛されてきました。蝶々柄が人気なのは美しさのほかに、不死不滅の象徴と言われているからで、縁起物としても扱われています。

女物浴衣(単品)【蝶】

 

 

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