こんにちは、銀座喜染です。
夏の装いとして「浴衣を着よう」と考えている方は多いと思いますが、下駄についてはどう選んだらいいのか悩む方もいらっしゃると思います。
浴衣と帯を決めた後にコーディネートを左右するサイドアイテムが下駄と言えます。浴衣に合った下駄を選ぶことで、浴衣全体の着姿をより素敵に見せることができます。
今回のコラムでは、浴衣がはじめての方にもわかるよう、下駄の選び方をご紹介していきます。
下駄にはさまざまな種類が。特徴を解説
浴衣に合わせる履物の定番、下駄。
下駄は普段履き慣れていないので、歩くと足が痛くなるかも・・・と心配される方もいらっしゃると思います。
でも大丈夫。最近の下駄にはいろいろな種類が用意されていて、自分に合うものを選ぶことで楽に歩けますよ。
雰囲気重視「駒下駄(こまげた)」
下駄と聞いて多くの人が思い浮かべる形と言えば駒下駄(こまげた)ではないでしょうか。駒下駄は底が2枚歯で背が高くなっており、江戸の女性がカランコロンと音を立てて歩いている姿をイメージする方も多いと思います。
履きなれないうちは難しいかもしれませんが、駒下駄はより風情のある着姿にしてくれます。
見た目重視「千両下駄(せんりょうげた)」
千両下駄(せんりょうげた)は、底の二枚歯の前のほうが、斜めの土台になっている下駄です。「前のめり」とも言います。
昔の千両役者 (1年で千両もらえるほどの人気役者)が好んで履いていたことから、その名がついたと言われています。
横から見ると「千」という字に見えるともいわれていますね。
斜めのラインが綺麗なのが、女性にも人気の理由です。
見た目重視「小町下駄(こまちげた)」
駒下駄の一種で、明治時代中期ごろから男女ともに用いられていたと言われています。
千両下駄と似た形ですが、後ろの歯が丸くなっているところに違いがあります。
優しく可愛らしいフォルムが特徴。
歩きやすさは同じなので、お好みで選んでください。
歩きやすさ重視「右近下駄(うこんげた)」
高さがなく底も平たくなっているため、サンダルに近い感覚で歩きやすい下駄です。
底にはゴムが貼られているものが多く、下駄を履き慣れていない方には最も歩きやすい形でしょう。
カランコロン…という下駄音も風情がありますが、音が気になるという方は右近下駄がおすすめです。
ただ、こちらのタイプは高さがない分裾が地面に近いので、雨の日などには不向きかもしれませんね。
オススメの下駄の選び方(素材、サイズ色)
下駄の種類をひととおり紹介してきました。次に、実際に足に合った下駄を選ぶ方法を見ていきましょう。
基本的に、浴衣はカジュアルに楽しむものなので、選び方のルールや、決まった色のパターンなどはありません。自分が気に入ったものやその時の気分に合わせて色々なコーディネートができるのも楽しみの一つです。
しかし、初めて浴衣や下駄を選ぶのでよくわからない・・・という場合は、次のポイントを参考にしてみてください。
素材
先ほどは下駄の台の形を中心にご紹介しました。歩きやすさを重視して選ぶのであれば高さがなく平たい形の右近下駄、見た目重視で考えるのであれば駒下駄、千両下駄、小町下駄などの種類があります。
また、花緒も使われている素材によって歩きやすさが異なります。
布地で出来ている花緒はソフトな当たり心地で、足が痛くなりづらいです。
逆にビニールで出来ている花緒は素足に履くには少々痛いですが、雨に強い、汚れが落としやすいといったメリットもあります。
浴衣は基本的に素足で履くものなので、花緒も布地のものが多いです。
花緒の色は、浴衣か帯の色に合わせると全体にまとまりが出るでしょう。
サイズ
下駄のサイズを決める際は、できる限り試し履きをすることをおすすめします。
下駄の適切なサイズ感は、かかとが1~3cm出るくらいと言われています。
足を花緒の奥まで深く入れてしまうと、花緒が食い込んで痛くなってしまいますので、軽く突っ掛けるように履くのがおススメです。
試し履きをすることが出来ない通販などの場合は、表記されている推奨サイズを基準に選びましょう。
色
下駄は、台と花緒それぞれにカラーバリエーションがあります。
台には「焼き桐」と呼ばれるこげ茶に焼かれたような色合いや、爽やかな白木、鎌倉彫などの台自体にも柄が施されたものもあります。
浴衣とのコーディネートを考える時には花緒の色柄をメインに合わせると良いでしょう。
浴衣+下駄のセットもおすすめ
下駄の種類や、オススメの選び方をご紹介してきました。
下駄と浴衣を同時に買うのであれば、セットでの購入もおすすめです。
セットで売られているものは、浴衣と下駄の色合いやコーディネートも合うものが選ばれているため、組み合わせに悩んだり失敗することはありません。
気軽に浴衣を楽しみたいという方は、セット浴衣も一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。 お値段も単品で購入するよりはお得になっていますよ。