こんにちは、銀座喜染です。
銀座橘苑の営業所にお越しいただいたお客様とお話をしていると、「あまり着なくなった浴衣があるんだよねぇ」というお悩みをうかがうことがあります。浴衣がお好きでたくさん持っている方ほどこのお悩みがあるようですね。ご両親からもらったものなど、特別な思い入れのあるものもあるでしょう。
そこで今回のコラムでは、「浴衣のリメイク」を話題として扱ってみたいと思います。皆様の思い入れのある浴衣をもう一度活躍させる手段です。何か一部分だけでも残っていれば、自分のゆかた履歴としても楽しめますよね。
趣味としても楽しめるものですので、お時間のあるときに是非チャレンジしてみてください。
浴衣の柄や触り心地はリメイク向き
着なくなって押し入れにしまわれたままの浴衣。それらは縫い糸をほどくことで一枚の生地に戻すことができます。
浴衣には、和服ならではの可愛らしい柄や、夏らしい涼しげな色がたくさんあります。浴衣を新しい持ち物にリメイクすることで、自分だけの一品を生み出すことができます。夏の日差しの中を、生まれ変わった浴衣リメイク品と一緒に歩く。涼しげで心地よいお出かけのイメージが思い浮かびませんか?
この後の項で、基本的な浴衣リメイクの手順をお伝えします。ぜひ自分好みのリメイクを探してチャレンジしてみてください。
浴衣をリメイクする手順と注意点
浴衣リメイクの手順は次の通りです。
1.浴衣をほどく
2.アイロンをかける
3.洗う
4.裁断する
5.縫う(ミシン、手縫い)
それぞれ方法と注意点をお話ししていきますね。
①浴衣をほどく
浴衣に限らず、着物をほどくときは作るときと逆の手順でほどけばよいと言われています。
ですが、よく聞くこの言葉は実はさほど気にしなくても大丈夫です。順番よりも大切にしていただきたいのは丁寧さ。布を切らないように丁寧に、縫い糸だけをほどいていってください。ほどいたあとは糸くずが出ますが、これはガムテープを使うと簡単に取り除くことができます。
②アイロンをかける
生地にアイロンをかけます。裏面から当て布をして、しわをのばしてください。アイロンがけをする際に気を付けてほしいのが温度です。綿や麻など、素材に適した温度にアイロンを調整するようにしてください。
ちなみに浴衣をほどいた時、ほどいた部分の生地の色が変わっている事があります。その場合はアイロンより先に洗うようにしてください。
③洗う
浴衣は綿や麻の素材で出来ているので自宅で簡単にお洗濯することが出来ます。お洗濯の際は素材や生地に注意しましょう。綿の浴衣であっても絽のような織りが特殊なものは絽目が歪んでしまったり、絞りの入ったものはシボが浅くなってしまったりします。
素材や生地ごとのお洗濯方法を確認して洗濯しましょう(洗濯方法のコラム参照)
④裁断
きれいな生地が用意できたら、いよいよ小物にリメイクしていきます。
布を平らな場所において、小物に必要な生地を切り出していきます。カットする際は、裁ちばさみを使うようにしてください。
⑤縫う(ミシン、または手縫い)
裁断した浴衣生地を、ミシンか手で縫います。中には直線縫いだけで作れるものもあります。裁縫がが苦手な方もチャレンジしてみてください。
小さいものは、ミシンよりも手縫いのほうが楽に作れます。生地に糸目が残っている場合はその部分が見えないように縫いましょう。
浴衣リメイク小物の一例
浴衣リメイクで作れる小物の一例をご紹介します。
・ シュシュ 初級者編
シュシュは最も簡単なリメイクではないでしょうか。布とゴムがを用意して、直線縫いするだけで作ることが出来ます。生地の可愛いところを選んで作りましょう。シュシュはくしゅくしゅしているのが特徴なので、少しくらい崩れても分かりづらいというのも気軽に挑戦しやすいですね。
・ ランチョンマット・コースター 初級者編
手ごろな大きさに生地をカット。二つ折りにして端を縫うだけで完成です。
・ポケットティッシュケース 初級者編
面積の小さい襟の部分で作れます。
・ のれん・座布団・クッションカバー 中級者編
袖などの広い面を使えば、のれん、座布団、クッションカバーも作れます。小さく切ってつぎはぎにして、パッチワークも良いですね。
・ ブックカバー・巾着・ポーチ・トートバッグ 中級者編
こちらも袖の広い面を使って作ることが出来ます。
・ブラウス・アロハシャツ・スカート 上級者編
洋裁の経験がある方は、最近人気の和柄の洋服作りに挑戦してみるのも良いですね。
美しい柄と触り心地を生かした浴衣リメイクを
着なくなった浴衣も可愛い柄が多く、捨ててしまうのももったいなくてためらってしまいますよね。ここでご紹介した小物や洋服などにリメイクすれば、新しいおしゃれが楽しめますし、環境にも優しいですね。せっかく購入した浴衣を余すことなく活用してみてください。