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ゆかたあれこれ 浴衣を知る

よく聞く注染ってどうやって染められてるの?

投稿日:2022-04-13 更新日:

銀座喜染一押しの注染(ちゅうせん)浴衣

銀座喜染では注染(ちゅうせん)の浴衣を数多くお取り扱いし、こちらのコラムでも何度かご紹介させていただいております。

「生地の表と裏から染料を注ぐ染色方法」とご紹介させていただいておりますが、本日は具体的な染色工程を、順を追ってご紹介していきます。

 

注染の染色工程

①糊付台と呼ばれる台に、型を打ちつけて固定します。台に生地を置き、生地の上に型を下ろします。型紙は伊勢型紙を使用しております。

 

②染めない部分に、海草から作られた防染糊(ぼうせんのり)を、へらを使って敷きます。こうすることで、染料を注いだ時に防染糊が敷かれていない部分だけに色がついて行きます。

 

③糊付けする位置がぴったりと合うよう、浴衣のサイズで生地を折り返します。生地の折り返しには相当の技術を要し、細かい柄ほど念入りに行われます。一回生地を折り返すごとに糊を付けていきます。

 

④全て付け終わったら、糊を固定させるため生地の表面には、おがくずがかけられ、箒でならしていきます。

 

⑤型置きされた生地を、染め台の上に置きます。染める色ごとに、防染糊を絞り出して「土手」と呼ばれる囲いを作ります。

 

⑥土手に合わせて表から染料を注ぎます。“やかん”などと呼ばれる、じょうろのような道具を使います。これを色の数分だけ繰り返します。

 

⑦コンプレッサーで下から吸入することで、重なった生地に染料を通します。

 

⑧生地を裏返し同じ方法で再度染めます。この裏表のない染め上がりが注染最大の特徴になります。

 

余分な染料や糊を落とすために、機械や人の手を使ってふり洗いします。生地を等間隔でたぐり寄せ、長い洗い場で泳がせます。この作業は、かつては川で行われていました。

 

⑩竿で高い場所から干して乾かしたら完成です。

 

手染めならではの味わいを楽しめる浴衣

いかがでしたでしょうか?注染は機械染に比べると本当に手間暇がかかり、流通している量も少ない浴衣です。

 

だからこそ、お召しになった時には、日本の手工芸、職人技の活かされた、手染めならではの柔らかさ、風合いを感じていただけると思います。

 

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