浴衣では右を先に体にそわせて、その上に左を上からかぶせる形にして着付けをしていきます。
右が先にくるので右前といわれます。この右前は平安時代から日本ではルールとなっており、日本では必ず右が前に(先になる)ように着続けてきました。右前があるのであれば、左前もあるよね。ということで、今回は左前の話です。
左前って?
左前はもともと中央ヨーロッパの騎馬民族などでは一般的な着方でした。その理由はとても実用的で馬の上で左手で弓を持ち、右手で弓矢を引き、弓を放った時に着衣がじゃまにならないように左前に着付けているようです。
平安時代、中国では身分の高い人は左前、庶民は右前というのが一般的な着付け方法だったようです。それを見習って日本では右前にしましょうねという法律を平安時代に制定されます。これは推測の域ですが、身分の高い人は自分で着装せず着せてもらっていたから左前になったのではないかと思われます。
あと左前というのはお釈迦様がお亡くなりなられるときに左前に着ていたこともあり、あの世に行くときは左前というのが通説になり日本では死装束を左前にするようになったとも言われています。
あとは前述の高貴な人の着方が左前だったので死んだときくらい左前でということで左前にしたとも言われています。ですので、浴衣は基本が右前(右を先に体に巻く)です。右前を忘れないようにしましょうね。
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