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ゆかたあれこれ 浴衣を知る

浴衣に履く履物

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こんにちは。銀座喜染の遠藤です。

 

浴衣と言えば素足に下駄が一般的ですね。最近はパナマや亜麻など夏素材の草履を浴衣に合わせる方もいますが、その場合は浴衣の着方などが変わってきます。

 

ではなぜ浴衣には下駄が一般的になったのでしょうか。それは浴衣の用途と関係しています。

 

なぜ浴衣には下駄なのか

風通しが良く吸湿性のある浴衣は、江戸時代の頃から湯上り着として着られていました。そのため少し外へ出る時もわざわざ足袋は履かないので、素足で履いて気持ちの良い下駄が履かれるようになったというわけです。

 

下駄は桐や杉などが使われるので吸湿性にも優れていて湯上りにはぴったりなんです。(ただし塗の下駄の場合は吸湿性はなくなります)

 

草履は履けないのか

前述のような理由で浴衣には下駄が良いとされていますが、最近では浴衣のおしゃれの巾も広くなり草履を履く方も増えています。ではどうやって草履を合わせるかというと、浴衣を着物と同じよう着ます。

 

浴衣を夏着物として着る場合は、襦袢を着て半衿を出し、足袋を履きます。浴衣の柄はなるべく細かい小紋柄のようなものを選ぶと良いでしょう。

 

ちなみに草履でもイグサの底にスポンジが張ってある簡易的な草履なら着物として着る必要はありません。室内履きとして使われる事の多い草履ですが、動きやすいため盆踊りの時に履く履物としても人気があります。

 

下駄の素材

下駄の台の素材は桐や杉が多く使われます。軽さが特徴で下駄の素材としては最適です。

 

桐の産地としては会津が有名です。豊かな土壌と、夏は暑く冬は厳しい寒さとなる会津盆地特有の気候が桐に適しているため、会津の桐は「会津桐【あいづぎり】」と呼ばれ一級品の桐として扱われています。

 

杉の下駄は桐に比べて数は少ないですが、杉の木目が特徴で桐とはまた違った味わいがあります。日田杉の下駄などが有名です。

 

花緒は、布製とビニール製があります。下駄を履きなれていない方は、布製の方が足当たりが良くて履きやすいでしょう。

 

下駄の種類

下駄の台には様々な形があり、それぞれ履き心地に特徴があります。

 

右近

背が低く、裏面にはゴムが張られていてサンダルのような感覚で履くことが出来ます。下駄を履きなれていない方には一番おすすめの形で、販売されているものもこの形が多いかと思います。

 

舟形

女性物で近年多い形です。

 

草履の形をしていて、厚みがある分ヒール効果があります。履き心地にも安定感があり、こちらも初心者の方には履きやすい下駄です。見た目は重そうで歩きにくいように感じますが、良い桐を使っているものは驚くほど軽くて歩きやすいです。店頭で買う場合は重さも実際に持って確かめてみると良いでしょう。

 

二枚歯・駒下駄

下駄といえばこの形を想像する方も多いのではないでしょうか。底に2枚の歯がついた形で、男性は二枚歯、女性は駒下駄あるいは芳町(よしちょう)などと呼ばれます。

下駄を履きなれていないと歩くのも難しいですが、コツをつかめば逆に二本の歯があることで重心が安定し、背筋がスッと伸びて快適な履き心地になります。

 

のめり

こちらは駒下駄の前が「のめり」と言われ、斜めになった下駄です。千両下駄とも呼ばれ、この由来は横から見ると「千」の文字に見えることからとも、千両役者が好んで履いていたからとも言われます。駒下駄よりも前へ倒しやすく、安定して歩きやすいようになっています。

まとめ

夏になると下駄は浴衣とセットで販売されている事も多いですが、せっかくなら足元も少しこだわってみるとまた新たな楽しみが増えます。ご紹介したように、下駄と言っても沢山の種類があり、また着方を工夫すれば草履という選択肢もありますので、是非着用シーンなどに合わせてご自分にぴったりの一足を見つけてください。

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