こんにちは。銀座喜染の遠藤です。
浴衣でお出掛けというと浅草や京都などの和の雰囲気がある場所を選びがちですが、本日おすすめしたいのは美術館、洋館などの、西洋の文化を感じられるスポットです。
日本に西洋の文明が入ってき始めたのは明治時代。文明開化と呼ばれ、西洋の文化・風俗をそのまま真似る以外にも、それらをお手本にして元々ある日本文化と融合させたりアレンジを加えたり、様々な所で取り入れられていきました。外で働く男性は、いち早く洋装化が進められました。対して女性の洋装化はもう少し遅れてやってきますが、この頃女学生には袴の着用が認められました。ただ当初は男袴しかなかったため定着しませんでしたが、明治30年頃には女袴が登場し普及していきました。大正ロマンといえば「はいからさん」に代表される矢羽絣の着物に袴姿がイメージされますが、西洋の文明と着物がほどよく混ざりあっていたのがこの明治・大正期なんですね。
浴衣は元々湯上り着や近所でのお祭りに着られていたものですが、現代では色柄のバリエーションも増え「レトロモダン浴衣」というジャンルもあるくらい、おしゃれ着として認知も高まっています。着物は敷居が高くても、浴衣で気軽にレトロな気分を味わってみましょう。
おすすめの美術館
〇竹久夢二美術館
大正ロマンといえば竹久夢二。その作品を展示・所蔵しているのが文京区にある竹久夢二美術館です。この美術館のある場所は、夢二が滞在した菊富士ホテルがかつて有った場所でもあり、また最愛の女性、笠井彦乃と逢瀬を重ねた場所でもあると言われています。
夢二の描いたものは手ぬぐいや浴衣にも使われており、浴衣でお出掛けするには親和性が高い場所です。お隣には高畠華宵の作品を中心に明治末から戦後にかけて活躍した挿絵画家の作品・資料等が展示された弥生美術館もあり、この時代が好きな方にはたまらない空間でしょう。
〇国立西洋美術館
松方幸次郎は大正5年から約10年間、頻繁にヨーロッパに足を運び、画廊で絵画や彫刻、家具からタペストリーまで、数多くの美術品を買い集めました。国立西洋美術館はこの「松方コレクション」と呼ばれる美術品の一部を保存・公開するために作られた建物です。
日本の若い画家に本物の西洋美術を見せたいという思いで集められた松方コレクション。当時はまだまだ珍しかった西洋の美術品を、その時の日本人の気持ちになって見てみるというのも楽しいですよ。
※ただし美術館へ出かける場合、下駄は音などが出てしまうため、履物には注意しましょう。女性なら草履、男性なら金具のついていない雪駄か草履がおすすめです。
おすすめの洋館
〇フェリーチェガーデン日比谷
ドイツ・バンガロー風、木造二階建ての洋風近代建築物です。明治期の近代洋風建築で現存しているものは珍しく、1990年には東京都の有形文化財に指定されています。この建物のある日比谷公園は明治36年代に、日本初の西洋式公園として生まれました。当時文明開化の新名所と言われた場所で、何の気なしに浴衣を着てふらっとお散歩なんて、ちょっと憧れる休日の過ごし方です。
〇旧岩崎邸
現存している洋館、大広間(かつての和館の一部)などは、岩崎財閥3代の岩崎久弥によってジョサイア・コンドルの設計で建てられました。広大な庭園に洋館内も広く、見ごたえがあります。
〇横浜赤レンガ倉庫
横浜村が開港の地と定められ、海外と貿易するために港の建設が必要になり近代的な都市建設が急ピッチで進められていった中で明治期に作られた横浜赤レンガ倉庫。明治・大正期のレンガ造り建造物と海に囲まれた空間で、歴史に思いを馳せながら散策するのも一興です。
おすすめの大正ロマン浴衣
大正ロマンといえば華やかな柄が一つの特徴です。銀座喜染でおすすめの、大正ロマンを感じる浴衣はこちら。
藍色の地に大きな雪輪の柄の浴衣です。帯に明るい色の矢羽やストライプなどの柄を合わせるとより雰囲気が出ますよ。
まとめ
今回は浴衣でお出掛けシリーズの第2弾として、少し目先を変えた場所をご紹介しました。必ずしも和テイストの所じゃなかったら浴衣に合わないわけではないので、是非気楽に楽しみながらお出掛けしてください。
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