きもの。私の生まれ育った西日本のある地区では洋服でもなんでも着るものをきものとよんでいました。きものは着るものなのできもの。おそらく今はだれもきものと呼ばないんだろうなあと思いますが、その地区では高齢者の方はまだ何でも着るものをきものと呼んでいるんだろうなあと思います。さて、一方ゆかたのこと。ゆかたは着物なのか?なんとなく説明が難しいし、どうなんだろうなあと思って女将に聞いてみました。
私「女将、ゆかたってきものなんですか?」
女将「あー。お客さんに聞かれた?」
私「いえいえ、ブログに書こうと思って。」
女将「そっか。ゆかたも着物。着物はゆかたにはならないよ。」
私「?????」
女将「ゆかたは湯帷子(ゆかたびら)といって、大昔、蒸し風呂に入る時に着ていた麻の着物がはじまりって言われているの。江戸時代くらいからはお風呂の後で汗を吸い取るために木綿の薄手の着物が着られていたのよ。ようは木綿の着物なので、着方によっては着物としても今でも着られるの。」
私「なるほどー。着物はゆかたにならないって言うのは着物は襦袢とか、着物の下に着るものなしで着られないからということですか?」
女将「絹の着物をお風呂上がりに着られる?素肌の上に絹の着物着られる?」
私「無理ですね−。汗かいて一発で着物を駄目にする自信はあります。(笑)」
女将「そういうこと。着物は夏着物でも必ず襦袢を着るでしょう?ゆかたは違う。素肌にバサっとはおるから、浴衣になる。麻だから、綿だから浴衣、という素材の違いではなくて、着方や着る場所の違いかなぁ。」
私「ということは・・・。なるほどー。ありがとうございました。」
女将「なるほどって何?ちょっと、ちょっとー。」
女将が丁寧に教えてくれました。で、気がついたんです。ゆかたは純粋に浴衣としても着られる。ゆかたはカジュアル木綿着物としても着られる。ということは・・・。柄さえ選べば浴衣は一粒で二粒美味しい、一石二鳥のきるものなんです。例えば小紋柄や無地で、いかにも浴衣と言う雰囲気の紺白ではない浴衣を選ぶと、襦袢を買い足すだけで木綿きものとして着る事が出来ます。
ですが・・・。カジュアルな着物であることに変りはないので、あまり着て出かけない方が良い所もあります。例えば、
高級なレストラン
パーティー会場
ホテル
などの場所です。逆にカジュアルな着物で出かける場所というとちょっとしたランチや美術館、ショッピングなどでしょうか。では浴衣はどうなのでしょうか?湯上り着として着られていた浴衣も、今では夏のおしゃれ着としてファッション性が高いものになっています。今はカジュアルな着物と同じような扱いになっていると思ってもらってもいいかと思います。
そうそう。浴衣をカジュアルな着物のスタイルにする時に気をつけたいのが履物。着物の時には足袋を履きますから、履物も下駄ではなくて草履や雪駄が良いですね。草履も雪駄も種類が沢山ありますから困ったときはご相談くださいませ。
最後に、銀座喜染でおすすめの、着物として着たい時におすすめの浴衣をご紹介します。
https://www.yukatakisen.com/products/detail/76
しじら織無地の抹茶色です。ただの平生地だといかにも浴衣という感じに見えやすいですが、しじら織りの独特の表情と当店で厳選した日本製の生地は、夏のお着物として着ても遜色ありません。
他にも多数ありますので、是非一度ご覧くださいませ。