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浴衣を知る

浴衣の種類1 しじら

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浴衣といっても色々な種類があります。形は同じですが織り方が大きく異なります。浴衣はもともと湯上がりに着られていたので、素材も吸水性の良い綿が多く使われます。ただし、その織り方が色々あります。同じ種類の糸を均等に織り上げてできる普通の浴衣。これはみなさんがよく夏場にお見かけになるものだと思います。つるっとした平らな生地に様々な柄が染められています。柄にも意味があって、紗綾形や麻の葉そして東京オリンピックでも有名になった市松柄などは縁起が良いとされています。これもまた別の機会にご説明いたします。

 

今回ご紹介したいのはしじらと呼ばれる生地。糸を組む時に強弱をつけて(引揃えして)平織りにしていき、ゆるくした糸を縮ませて仕上げた織り方のものを言います。強弱がつけられたところに大小異なるよれができ、これが「しぼ」とよばれる凸凹した面をつくりあげます。

 

 

反物を織り上げた後の加工で「しぼ」を型押しして作り上げている場合もございます。他方で長年職人の方が糸染の段階から工夫して織り上げていらっしゃるものもまだまだ残っております。しじらといえども実はいろいろな産地があります。しじらが元々生まれたのが江戸時代の末期の徳島、阿波の国といわれております。以来、しじらといえば阿波しじらが有名でしたがそれ以降、綿織物を得意とする各産地でもしじら織りが織られるようになっていきました。

 

しじら織りの良いところは着心地にあります。しぼとよばれる凹凸した織り面が汗をかいた素肌にぴったりと張り付くことはなく適度に触れる程度で外の風を浴衣のなかによく取り込んでくれます。汗をよくかく男性には本当におすすめしたい浴衣です。しじら織りのもう一つの良さはちょっと裏技ではありますが、半襟をつけて着用すると綿の着物としても着用することが出来る点です。

 

夏着物は絹のものですと汗で生地を駄目にしてしまいます。そのことからお手入れも大変で維持するのがなかなか難しいものがあります。その点、しじらの浴衣は洗うことも簡単にできる綿で作られておりますので、手入れも簡単。浴衣としても着られるし、着物としても着ようと思うと着られる。1つで2つ美味しい浴衣なんです。銀座喜染のしじら織りの浴衣はそんじょそこらでは買えない逸品を取り揃えております。

 

どこが逸品なのか?職人の方が丹念に気持ちをいれて織り上げお作りした浴衣をご用意しております。他の店のしじらと違うのは産地の作り手の方と交渉し、作り手の方に織り方まで細かくお願いして織り上げたしじらです。ほかのしじらとどう違うのか?喜染のしじらのしぼは多店でとりあつかわれているしぼと比較していただくとわかります。しぼがはっきりと目で見てもわかるレベルで凸凹するように織り上げられています。はっきりとした凸凹がレベルの違いを引き出してくれ、一つ上のクラスの浴衣を着ている感じがよく伝わる浴衣となっています。

 

当店でも潤沢に在庫をもっているわけではございませんので、特別なしじら織りにご興味をおもちいただける方は是非下記のリンクをクリックして商品をご覧になってみてください。

銀座喜染

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